バチェラーの定義が崩壊したリアル恋愛ドキュメンタリー【後編】

10月25日~26日、とうとうエンディングを迎えたバチェラー3。前編に続き、その衝撃のラスト、そしてバチェラーの告白について考察していきたいと思います。

■バチェラーの定義が崩壊

バチェラーとは。

ハンサムで財力や知性、社会的地位を得ている才色兼備で完璧な独身男性。そんじょそこらの男性とはちがう、ハイクラスな男性。

だからこそ女性たちがその妻の座に座るべく戦ってきた、そのはずでした。

しかし前回と前々回で見せた、バチェラーのイメージとはかけ離れた、友永さんの子どもっぽい対応。そして大本命・ぶどう農家の岩間さんとの噛み合わない会話。

それにより友永さんはバチェラーとしての完璧さを失い、ただの普通の男に成り下がってしまいました。

■普通の男が女の尻を追っかけるだけのストーリー

あんなにも結婚後は神戸に住むことを軸としていたのに、ぶどう農家の岩間さんを落とすために「恵のためなら譲れる! 東京でもいい!」と突然意見を変えたり、野菜嫌いなはずが「これは(僕でも)食べられる野菜」と若干嘘をつきながら無理したり、「いろんなとこが(恵と)似てるやん?」と共通点をアピールするも「好みは似てない」とぶった切られたり……。

好かれたいがために自分に嘘をつきながら、無理やり女性に意見を合わせまくって口説く。それはバチェラーではなく、ただの情けない男の姿を見ているようでいたたまれなくなってしまいました。

僕らが見たかったバチェラーは、すべての女性を魅了する完璧な男性。それを女性が奪い合うストーリー。真剣にそう思ってました。

でも確信しました。これは普通の男が恋の主導権を握れず、へこへこしながらひたすら女を追っかけるだけの話やなって。

いやぁ、ほんまにびっくりしました。女性には芯のある強さを求めていたはずやのに、本人には芯がないんです。相手に全部合わせる弱さ。いったいこの弱さはどこからきてるんやろう。

こんなん僕らの求めてたバチェラーやないなって。そう感じさせてくれましたね。

普通なら、女性に合わせて神戸を捨てて東京に行くと譲ってくれるのはやさしい男性なのですが、あくまでこれはバチェラー。そういう軸は譲らないでほしかった。

■努力不足だったバチェラー

岩間さんが自分に気持ちがないことに気づき、ラストにかけて突然焦り出したためにこうなってしまったわけですが、そもそも岩間さんを落とす努力をしていなかったバチェラーも問題。

最初にサプライズローズを渡し、その後のサプライズデートで「僕のことを好きになってほしい」と言うだけで、あとは何話も放置してれば、そりゃあ人の気持ちは動きません。

いやぁ正直驚きました。彼の気持ち、全然伝えてないんです。バチェラーという肩書きにおごって油断してしまったのかなって。そんな風に見えましたね。

■ダチョウ倶楽部の次はゆってぃを発動

加えて、バチェラーの独りよがりなところも気になりました。

食の好みの一致を大切にしているという岩間さんに、フランス料理のメインを確認せずに勝手にラム肉を注文し、挙げ句の果てには「食の好みなんてどーっでもいいんですよ!」「(自分が)帰ってきてどれだけ居心地のいい空間があるかのほうが大事。ちっちゃなこと気にしなくていいのに」と、ワカチコワカチコと挟みたくなるほどに暴君なゆってぃっぷりを発揮。

バチェラーにはどうでもよくても、岩間さんは大切にしている価値観なんだから、ちっちゃなことではないし、むしろ最重要課題。

そのとき、「あ、この人ほんまに自分のことしか考えてないな」そう思わせてくれたんですね。

■岩間さんに見えたズルさ

問題の食事シーンでバチェラーが苦味と酸味を間違えたとき、ぶどう農家の岩間さんが「やばくなーーい? それ(笑)」と小馬鹿にしていたのも冗談っぽく思えず、バチェラーを下に見ているようでびっくりしてしまいました。

全体を通して言えるのが、彼女には人に対する愛情や敬い、気づかいが見えないということ。良く言えばありのまま、悪く言えばガサツ。

逆に、ラスト3人に残った元北新地ホステスの水田さん、元ミス・ユニバースの野原さんはそれが秀でていたため、岩間さんの奔放さが余計に際立ってしまいました。

また、バチェラーに対して「結婚できるかはわからない」「好きだけど恋愛感情かわからない」と言いながら辞退するでもなく、「でもバラをもらえたら、その気持ちを踏まえてくれているということだからそこから考えたい」と、好きではないけどバラは受け取る意思があることにズルさを感じてしまいました。

選んでもらいたいけれど、結婚を強制されては困る。でも最後に自分を選んでもらえる自信があるからこそ言える、強気な発言。

番組上いったんは付き合うけど、ここまで事前に伝えているんだから、その後結婚するかはわからないよ! という保険にしか見えませんでした。

保険をかけまくった結果、最終的にバチェラーは岩間さんではなく、彼のことをきちんと愛していた水田さんを選ぶこととなりましたが。

■指輪の切符が導いた終着点は「身勝手クソ野郎」駅

最後のローズセレモニー、バラを受け取ったのは元北新地ホステスの水田さん。婚約指輪をはめてもらうときに、バチェラーと同じ目線まで腰を落として受け取っていたところに彼女の人間性が表れていて素敵でしたね。

バチェラーは「指輪は次の終着点までの切符代わり」とかっこいいことを言っていたのですが、終着点はまさかの1カ月後に訪れました。

なんと、1カ月で水田さんを振り、おまけに水田さんとの交際中に岩間さんに気持ちを伝えに行き、結果付き合うという自己中っぷり。終着点の駅名は「身勝手クソ野郎」駅だったのでしょうか。

「あゆみとこの先歩んでいくと決めた答え、まったく後悔してない」という発言から1カ月も経たないうちに岩間さんに連絡を取っているのですから、バチェラーにとっての「まったく」という発言はヘリウムガスより軽く、一瞬で空に気化するような説得力ですし、そもそも選んだ相手に「後悔してない」という言い方をしていることがおかしいですよね。

後悔しそうな決断だったことが根底になければこんな発言にはならず、「この決断は間違っていない」とかになるわけですから。

水田さんとの交際中、岩間さんに気持ちを伝えに行った名目も「お別れを伝えるため」と主張していましたが、お別れはすでにローズセレモニーで「ほんまに好きでした」と伝えているわけです。

もう一度「好きでした」とわざわざ伝えに行く時点で、「(今現在も)好きです」と捉えられますし、再び会ってまで自分の気持ちを伝えたい理由ってひとつしかありませんよね。

■正直=誠実ではない

バチェラー友永さんは、なんでも包み隠さず話すこと=誠実だと考えているようでしたが、肝心の内容が誠実なものでなければ、どんなに正直に話したとしても受け入れることは難しいです。

ゲストMCと脱落女性メンバーたちが全員集合した最後のスタジオトークで、「隠すことなく全部話しにきました。けじめをつけにきました」と言って登場しましたが、けじめをつけるという名目で“みんなに岩間さんとの交際を認めてもらいたかった”だけにしか見えませんでした。

なので、女性陣から鋭い指摘が入ったとき、バチェラーの目がかなり怒っているように見えました。いったいその怒りはどこからきてるんだろう。そう考えて、気づいたんです。

本当に怒りたいのは、最低男のために貴重な時間を費やしてしまった水田さんをはじめとした参加女性陣、そして視聴者なんじゃないかって。僕自身、今はほんまにそう思ってます。

■正直になるタイミングはローズセレモニーだった

「自分に正直にすべて告白します」と言うけれど、バチェラーはまわりの気持ちを考えずに自分がやりたいようにやっているだけ。

本当なら玉砕覚悟で、最後のローズセレモニーで大好きな岩間さんにローズを渡すべきでした。気持ちに正直になるべきは今じゃなくて、そのとき。正直になる場面を間違っています。

そして、気持ちがないことに気づいて水田さんと別れるのはまだしも、そこで岩間さんに連絡を取れるのは、自分の気持ちしか考えていないからこそできること。

それをけじめと言わないでほしいし、責任感がある人なら自分の中で気持ちを消化していたはずです。その気持ちもバチェラーボックスにしまってほしかった……。

■保護者にならずに済んだ水田さん

しかし、1カ月で別れを告げられた水田さんはつらかったとは思いますが、別れてよかったと思います。実際、バチェラーが水田さんに与えられるものってなんでしょう?

2人が結ばれたときにバチェラーが水田さんに言っていたセリフ。

「これから苦しいことのほうが多いと思う。そんときは支えてな」

ほんまにびっくりしました。

自分が支えるのではなく、支えられることが大前提なんですね。彼、ほんまにお子ちゃまなんやなって。素直にそう思いました。

今となっては週2〜3は岩間さんに会いに東京で過ごせるほど時間があるし、クレープを焼く以外は家事も苦手そうなので、結婚してもパートナーやなくて世話を焼くべき子どものような存在になるんちゃうかなって。

だから、水田さんにふさわしいのはほかの人なんかなって。今は真剣にそう思います。

それにしても水田さんは気丈でした。隣に、好きだった人とその彼女がいるなんて悔しくてみじめで腹立たしくて……泣いてしまってもおかしくない場面でした。

それなのに、バチェラーを笑顔でフォローしたり、変な空気にならないよう気づかったり、「幸せになってください」と声をかけたり……どこまでもやさしい人でしたね。

■ここまで迷惑をかけたのなら結婚してほしい。その言葉に嘘はないです

スタジオトークでひとつよかった演出は、カップルの2人がはけてから、本来お祝いの意味を込めていた紙吹雪が舞ってエンディングを迎えたところですね。やっぱり視聴者としても2人の祝福はしづらいですから。

これだけの人を巻き込んで不幸にして、もし2人が別れるとなったら、さらに非難が巻き起こるでしょう。

ここまで迷惑をかけて自分の気持ちだけを貫いたのだから、きちんと結婚してけじめを取ってもらいたいものですね。

■ハードルの上がった4代目バチェラー

今回の件で、次回に選ばれる4代目バチェラーはハードルが上がり、いっそう誠実さや完璧な人間性が求められることとなるでしょう。

と、すると。

冷静沈着で偏見なく人を見る目があり、バチェラー友永さんの暴走を嗜めるまともな感覚、自身も医師であり病院経営の跡取りという肩書きを持ち合わせ、実家もお金持ち……まさにすべてを持ち合わせた男。

つまり、実家訪問のときに出演されていたバチェラーのお兄様こそが、完全に真のバチェラーにふさわしいのでは?

次回作、お兄様! ぜひエントリーをお願いします!!(独身かは不明……)

ここまで長い間、連載「バチェラー3考察」を読んでいただきありがとうございました!!

(やまとなでし子)

11/5 17:10 マイナビウーマン

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