※このコラムには『着飾る恋には理由があって』エピソードのネタバレが含まれます。
(c)TBS
火曜22時から始まった新ドラマ『着飾る恋には理由があって』。キラッキラにかわいい川口春奈の、そのオシャレすぎるファッションを見ているだけでも楽しい上に、今の日本人の生き方、価値観に一石を投じてくれそうなこのドラマ。
そして、横浜流星や向井理とイケメンも勢揃い。さまざまな恋模様も含めて、毎週考察コラムを書いていきたいと思います!
■登場するのは価値観が正反対の2人
主人公は企業の広報兼インフルエンサーである川口春奈演じる「真柴くるみ」、そしてキッチンカーでバルを経営する横浜流星演じる「藤野駿」。
真柴にとっては周囲からの評価が全て。人生の選択に主体性がありません。例えば、他人にオシャレだと評価してもらうことで、自分がオシャレであることに自信を持つような「他人の評価=自分の評価」の人。現実でもこういう人は多いのではないでしょうか。
生活はインスタグラムに支配されていて、1日3回決まった時間にアラームをかけて投稿。自分の見え方を大切にしているので、芸能界のレジェンド黒柳徹子が『徹子の部屋』で一度着た衣装は二度と着ないように、彼女も一度着た服は二度とインスタではアップしません。
そのせいで部屋はベッド以外全て洋服。地震が来たら確実に雪崩が起きて発見、救助が困難なレベル。
加えて、ネイルもフォロワーの反応のために毎日変えるという、リムーバーがアセトンフリーだとしても確実に爪に優しくない少し行きすぎた美意識の高さです。
一方藤野はというと、自分のプライドや人生は切り売りせず、人の意見に左右されずに進む道を自分で切り開くタイプ。
自分のやりたい仕事だけを選び、稼ぐお金も所有物も必要最低限しか持たない。価値がないと思うものには時間も手間も割かないし、スマホも持たず、部屋も空き部屋かと見間違えるレベルの殺風景さのミニマリスト。
自分の価値観は自身で作り出し、他人の意見でブレたりもせず自分の幸せを追求している。誰もがそうありたいと思っても実行するのは難しい、そんな理想ともいえる生き方をしているのが藤野ではないでしょうか。
そんな正反対で水と油のような2人が、“シェアハウス”という形で同居することになるわけです。
■真柴の今の人生は全て社長に依存
人生の主軸が常に自分以外のものに置かれている真柴。彼女が今の会社に入ったのも、憧れの社長・葉山(向井理)がいるから。
インフルエンサーになれたのも、もちろん彼女の日々の努力があってこそではありますが、カリスマ性のある社長の仕事を回してもらって、それを宣伝した結果でもあります。そして、仕事を頑張るモチベーションも、そんな社長のため。彼女の仕事人生は、社長ありきで成り立っているのです。
第1話では、そんな社長がある日突然社長を退任することになり、人生の指針を失ってしまうわけですが、密かに数年間片思いもしていたわけですから、恋も仕事も路頭に迷ってしまいます。
■向井理は触れたらあかん“呪縛”みたいな男
というかね、この社長。こんなんされたら呪縛に囚われて次の恋ができなくなる、まさに女にとっては「触るな危険」表示を顔面いっぱいに表記しておいてほしいタイプの男。
想像してください。顔面が向井理の社長に、彼の仕事服コーディネート係を一任され、他の社員と差別化され、目の前でお構いなしに着替えるくらい心も許されている。そして、個人的に気にかけてくれていそうな発言連発、パーカーを着たらフードを被される古典的イタズラに胸キュン、そんな相手に「次のレセプションうまくいったら桜を見に行こうな」と誘われるわけです。
洋画でよくある「この戦いが終わったら結婚しよう」と絶対生きて帰ってこないタイプと同じフラグの立てられ方だったので、もちろんこの約束は果たされないわけですが。
にしてもそのまま社長退任、失踪してくれりゃあこっちの気もまだ諦めがつくものの、ヤツはさらにデカイ爆弾を放り込んで行くのです。
そう、家に誕生日祝いが届くんですよ。「桜見にいけなくてごめん」のメッセージと共に。しかも、そのプレゼントは「お祝いのプレゼントって何がうれしい?」と、事前に他人宛のていで確認されていた花束。
こんなんされたらもっと好きになっちゃいません? 失踪後に手配してくれたわけですから、一応約束を忘れずに気にかけくれて救われた気持ちも、プレゼントへのうれしさも、もしかして両思いだったのかもしれないモヤモヤも、ぶつける相手がいないまま。
これだと気持ちが成仏できず、消化不良のまま良い思い出だけが美化され、もっともっと好きになって次に行けないわけです。
この理の呪いは罪すぎる。乙女の心監禁罪で刑事罰に処されてもおかしくない。
しかし、普通の社長ならこのまま失踪して出てこない可能性もありますが、ここは我らが向井理。1話だけでさいなら〜という贅沢な理使いはしないはず。私には、溶鉱炉に沈む理のサムズアップが見えました。復活を待ちましょう。He’ll be back!
■下世話な心配と資産を投げ打った体当たりの中村アン
しかしこの会社、有名社長のセンスと買い付けで回っていたワンマン企業感があるのですが、社長が退任して売り上げ大丈夫なんですかね? とりあえず株価がめちゃくちゃ心配です。
そして衝撃の中村アンの男前ショート。彼女のトレードマークだったかきあげウェーブヘアーがバッサリなくなっていたので、中村アンだと認識するのに時間がかかりました。女性にとってロングヘアを維持するのには手間もお金も時間もかかるもの。
それをあんなにも短く切ってしまうのは、まさに資産を投げ打ったに等しい。それだけの本気度が窺えるあのショートを見るだけでもこのドラマを見る価値があります。
■藤野が真柴をすっ裸にしていく精神的ストリップショー
真柴は、大好きな社長には数年そばにいても着飾った自分でしか対峙できなかったけれど、藤野にはしょっぱなから本音丸裸で絡んでいるんですよね。
元々田舎の島育ちで、「帰りたいな」と漏らしていたことからも、今の自分に疲れている様子が見える真柴。自分に正直な藤野の価値観に触れることで、彼女が世間体のために着飾っていたものがどんどん脱がされて自分らしさを取り戻していく、そんな精神的ストリップショーになっていくと思われるのがこのドラマ。
「映えない!」と食べもせず一蹴した藤野の地味カレーがめちゃくちゃおいしかったことがきっかけで、「映えより本質!」と毎日頑張って変えていたネイルを辞めることとなった今回。次回は何を脱がされるのでしょうか。そして最後の素っ裸の姿とは。藤野! やっちまいな!
とりあえず第1話の全女子の感想総まとめとしては、横浜流星と月5万で表参道の豪邸に住みたいし、向井理にお賃金もらいながらこき使われたい。これに尽きます。
また次回。
(文:やまとなでし子)
4/27 11:10 マイナビウーマン
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