オンライン・ピル処方サービス「スマルナ」を運営するネクイノは、新生活シーズンに向けて、現在働いておりかつ低用量ピル(以下、ピルと記載)を服薬しているスマルナユーザー589名に、働く女性とピルの関係性についての意識調査を実施しました。
■ピル服薬に際する仕事への変化、約9割が改善を実感
まず、ピル服薬の最も強い目的について質問すると、主目的は、1位「避妊」37.4%、2位「月経痛の軽減」19.9%、3位「PMS(月経前症候群)の軽減」17.1%であることがわかりました。
また、ピル服薬前の仕事をする上での困りごとを聞いたところ、「腹痛がひどく業務に集中できない」「生理不順により予定が立てにくい」等のほか、「トイレに行ってナプキンを変える暇がない」「ユニフォームを汚してしまわないか不安」など職種によっての困りごとの差がうかがえる結果となりました。
◇<ピル服用前は仕事をする上でどのようなことに困っていましたか?>
・頭が朦朧として仕事に集中できない、簡単なことも判別できない(40代・事務職)
・生理不順でいつ生理が来るか分からず、健康診断や出張などの際の荷物や予定が立てにくく困っていた(30代・事務職)
・夜勤があり不規則な生活のため生理不順だった。また、量が多く漏れてしまい下着を汚すこともあった(20代・介護職)
・毎月、出血量が多いがトイレに行ってナプキンを変える暇がない(30代・医療職)
・生理前や生理中に体調が悪くなることが多かったが、立ち仕事なので座って休むことができずきつかった(30代・販売職)
・月経量が多くユニホーム(白のパンツ)を汚してしまうことがあったため、夜は履くタイプのナプキンを使用し、日中はタンポンとナプキンを併用して使っていた(20代・介護職)
・PMSの症状が酷く、日常生活に支障が出る程に気持ちの浮き沈みが激しく自力でコントロールしきれなかった為、会社に行く事も憚られていた。生理前は「体調不良」と言って欠勤するしかなかった(30代・事務職)
・仕事中に耐えられないほどの痛みがあり、集中できなかった(20代・公務員)
・生理前の頭痛が酷くて、立ち仕事に支障があった。男だらけの仕事場でしんどいとも言えずきつかった(20代・販売職)
次に、ピルを服薬後に仕事をする上でどのような変化があったか聞いたところ、87.8%の人が何らかの症状の改善を感じており、うち「体調が悪い状態で働くことが減った」が61.1%で最も高いことがわかりました。
さらに、ピル服薬による仕事のパフォーマンスへの変化を聞いたところ、72.2%が「仕事のパフォーマンスが上がった」と回答。ピル服薬前に感じていた心身の不調が改善されたことで、仕事への良い影響を感じている人が多くいることがわかりました。
続いて、「ピルという選択肢を知った・またはピルを服薬したことで気持ちや行動にどのような変化がありましたか」という質問をしたところ、最も高かったのが「体調をコントロールできるようになり自分に自信が持てるようになった」49.6%に。
次いで「自分の今後のライフプランを考えるようになった」32.1%、「パートナーとライフプランについて話し合うようになった」17.5%、「いつ子どもを持つか(バースプランについて)考えるようになった」16.3%が続く結果となりました。
この結果から、ピル服薬によってもたらされる変化は、女性特有の症状の改善という身体的な変化だけでなく、女性が自分に自信を持つことやライフプランの自己決定などの精神的な変化も後押ししていることがわかりました。
■ピルを服用しながら働く女性の6割超が「キャリアを築きたい」
続いて、ピルを服用しながら働いている女性はどのようなキャリア形成への意向を持っているかを調査しました。「仕事でキャリアを築き、活躍したいと思うか」という質問に対しては、62%が「そう思う」と回答し、24.3%が「どちらとも言えない」と回答しました。
回答の理由としては以下のような理由が挙がりました。多くの回答から、働く女性は仕事と家庭の両立に悩んでいる様子が見てとれました。
◇<キャリアを築きたいと思う理由>
・一人でも生きていける知識、力をつけたいから(30代)
・経済的に自立し、ライフプランの選択肢を拡げたいから(20代)
・可能な限り多くの選択肢を残しておきたいから(結婚相手を年収で選びたくない、お金を気にせず趣味を楽しみたいなど)(20代)
・子育ても好きだが、母親以外でも社会に認められたい(20代)
・今後は子どもを望んでいないから(30代)
・男性の多い職場だからこそ活躍したい(20代)
・キャリアアップは自分の幸福度に大きく影響しているため(40代)
・シングルマザーなので、ある程度安定した仕事、収入が必要なため(40代)
・子育てをしながら働いているので、子どものためにもキャリアを上げて良い収入を目指していかなければならないから(20代)
・ピル服用前は自分で体調管理ができていないと思われていたが、ピルを服用することで改善されたから(20代)
◇<キャリアを築きたいと思わない理由>
・キャリアより家庭を優先したいため(20代)
・仕事での拘束時間が増えると家庭との両立が無理。今でさえキツイ(40代)
・役職につくと責任がそれだけ多くかかるから(30代)
・子どもがいるしキャリアは無くてもそれなりでいいかなと思う(20代)
・キャリアアップにあまり興味がない、年齢と共に給料が上がっていくため頑張ったところで給料は変わらないから(30代)
・今は仕事中心の生活をしており仕事を頑張りたいが、それ以上に頑張りたいものが見つかればその時はキャリアにこだわることはないと思うから(20代)
◇<どちらとも言えない理由>
・家庭の時間か仕事の時間かどちらを優先するか悩むから(30代)
・今の職場で活躍したいと思う気持ちもあるが、結婚するなら続けるのは難しいから(30代)
・仕事は続けて行きたいと思っているが、キャリアを築いていけるイメージがまだ湧かない(30代)
・今現在小さい子どもを育てていて、育児と仕事の両立が難しいと感じているので(30代)
・キャリアを築いて自分のしたいことを実現したいが、出世すると逆にそれができなくなるから(30代)
・仕事も好きだが家事をするのも好きで、家での時間を削るほど仕事をしたいと思わないから(20代)
また、キャリア形成への意向を子どもの有無で比較してみると、「仕事でキャリアを築き活躍したい」と回答した人は子どもがいない人63.1%、子どもがいる人61.6%となり、ピルを服薬しながら働いている女性においては、子どもがいることがキャリア形成への意欲を削ぐ理由とはなっていないことがわかりました。
■ピルの継続意向、ほとんどが「今後も服薬し続けたい」
次に、ピルの継続意向について調査したところ、94.9%が「今後も妊娠を希望する時以外はピルを服薬し続けたい」と回答しました。
理由として最も多く挙がったのは、「いつ生理が来るかを心配したくない(生理周期を安定させたい)」74.8%でした。
ピル服薬の主目的には「避妊」が最も多く挙がっていたものの、ピルの継続理由を見ると“生理周期を安定させられること”を理由に挙げている人が一番多く、生理不順が改善できること=働く女性にとっての大きなメリットであることがわかる結果となりました。
■オンライン診察に感じるメリット、「時間と場所の制限がない」
続いて、「働く上で婦人科のオンライン診察についてメリットを感じますか」という質問に対しては、95.1%がそう思うと回答しました。
特に「通院にかかる時間負担の軽減」90.4%、「好きな時間、場所で診察を受けられる」86.1%が高く、時間と場所の制限がなく診察を受けられることがオンライン診察のメリットと感じている人が多いことがわかりました。
また、子どもがいる人といない人で比較すると、子どものいる人の方が「とてもそう思う」との回答が11.8%高くなりました。このことから、働くママがオンライン診察のメリットをより感じていることがわかりました。
■約9割の女性が女性特有の不調に、会社のサポートを求めている
最後に、今後どのような会社で働いていきたいかを質問しました。今後働き続ける上で、女性特有の身体の不調に対して積極的にサポートする会社で働きたい人は89.1%となり、約9割の女性が女性特有の身体の不調に対して、会社のサポートを求めていることがわかりました。
また、年齢別に見ると特に25〜29歳(91.2%)、40〜44歳(92%)で積極的にサポートする会社で働きたいと思っている意向が高くなっており、働く女性の中でも、妊娠を検討する年代や更年期を意識する年代でより会社のサポートの有無が重要視されている様子がうかがえました。
これらの結果から、会社において女性の健康へのサポートは女性社員の働き方を考える上で必須であることが推察されます。
さらに、会社にどのようなサポートがあったらいいか聞いたところ、1位「福利厚生でピルが購入できる」43.1%、2位「生理休暇の取りやすさの推進」29.2%、3位「福利厚生で希望する婦人科検診ができる」16.1%という結果となりました。
■調査概要
調査対象:働いており、かつ低用量ピルを服薬しているスマルナユーザー589名(女性)
実施期間:2023/2/21〜3/1、3/10〜3/15
調査方法:インターネット調査
回答者年齢分布:10代 1.4%、20代 46.5%、30代 40.4%、40代 11.6%、50代 0.2%
(エボル)
4/5 17:00 マイナビウーマン
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